前ページであげた、
☆ 道路構造令の、第四種第一級の道路条件を満たすこと、
☆ 新幹線の桁は現状のまま使用する
☆ 江原公園交差点に接続させる
☆ 新たな用地買収はしない
☆ 古墳の保護ライン内には手を付けない
☆ 市道1672号線を分断しない
☆ 渋滞緩和と史跡活用
という、七つの条件をみたす道路の案を考えてみました。
遺構の周囲5mに設定された、古墳の保護ライン内に手を付けないという条件を満たすには、
カーブで迂回する方法では、江原公園交差点に接続できないのは、第一案や第二案で検討されている事実で、
また、土地の追加買収をせずに、スパン104m以上の橋をかけるのも、たしかに不可能なので、
残された可能性としては、アンダーパスしか考えられません。
そこで、
沼津市が不可能だとした、アンダーパスの検討案を見てみると、
北から、道路構造令の7%勾配で計画すると、
後方部の墳丘部分で、やっとトンネルに入れる状態で、
それも、トンネルの土被りが全くない状態で古墳に接する図面が引かれています。
これでは、たしかにトンネルは無理だ、と一見思ったりするのですが、
この図面、7%勾配の始まりの部分が、江原公園交差点から300mの地点に設定されています。
平面図で見てみると、
江原公園交差点から300mの地点というのは、新幹線ガードの南側にあり、
新幹線ガードをくぐる位置では、道路がかさ上げされて作られているので、
ガードをくぐる位置での路面の高さを、現在の計画より下げることは、不可能ではありません。
そこで、アンダーパスの7%勾配を始められる地点はどこかと図面を見てみると、
運転免許センターへ上っていく T字路の交差点より南側は、
新幹線の桁と、ガード下の水路以外に、
道路と取り合わせを調整しなければならない施設はありません。
谷戸川の暗渠については、
昔はもっと東側の低地を流れていた川を、農業用の用水路として利用するために西側の高い位置に付け替えられた経緯があるので、
田んぼに水を引く需要がなくなった現在では、元の流路に戻した方が、溢れる可能性が減らせます。
ということで、谷戸川の暗渠を、計画より上流で潜るように付け替えても、構造上問題はありません。
以上の事から、
運転免許センターへ上っていく T字路の交差点の停止線の位置から、アンダーパス用の勾配を開始すると、
勾配に使える長さを、沼津市の計画より80mほど延ばすことが可能になります。
ということで、
道路の傾斜角を延長して、沼津市の計画の、80m手前からアンダーパス用の勾配が始まるようにしてみると、
南北ともに、7%勾配で、アンダーパスを作った場合の図です。
コピペして切り取って、反転させたりして、貼り付けてみました。
南側のトンネル入り口が、遺跡保護ラインぎりぎりで、土被りが1m無いので、
どうしても、遺跡保護ラインを守るのであれば、
R&C工法やSFT工法などの、低土被り用の特殊工法が必要になりそうですが、
周濠の位置では、2mほどの土被りがあるので、
ハーモニカ工法でも、十分に非開削でアンダーパスを作ることが可能です。
また、古墳の北側については、遺跡保護ラインの外側、
市道1672号線まで、アンダーパスで迂回できるので、
条件に挙げられた、市道1672号線を分断しない事ができ、
道路が開通したとき、迂回車両が市道1672号線に流入する危険もなくなります。
アンダーパスの始まる地点を、沼津市の計画より80mほど北にある、
免許センターへ行く T字路の停止線の位置に設定したことにより、
道路構造令の最大勾配 7%で、古墳の保護ラインを守る形で、
アンダーパスを作ることが可能になりました、が。
北側は新設の道路なので、そのままで良いのですが、
アンダーパスの南側は、既に道路があって利用されている部分なので、
単純に作ると、側道が必要になって、先ほどあげた基準を満たすことができません。
そこで、どうするかというと。
宮城県道264号大衡仙台線の、仙台市中心部と北の住宅地を結ぶ位置には、
伊達政宗によって江戸時代初めに建立された、輪王寺というお寺があり、
地上に道路を作ると、
輪王寺の参道と境内の墓地が、道路にかかって破壊されてしまうので、
この部分の道路が、北山トンネルという、すごく長いアンダーパスで作られています。
本堂や客殿ではなく、
寺院の付属施設に過ぎない参道や墓地ですら、歴史的な文化遺産として、
道路をアンダーパスで通して守っていくとは、
さすが、歴史のある町はちがいます(^^)
と、いっても、高尾山古墳の1800年に対して、輪王寺は400年だが・・・。
さて、この北山トンネル、
トンネル入り口と、交差点との間の距離が近すぎて、
上り線の出口は、普通に交差点に接続していますが、
下り線は、同じ位置では道路構造令の勾配の基準を満たすことができないので、
交差点の手前から、トンネルに入るという、
上り線と下り線で長さの違うトンネルになっています。
この、北山トンネルの例のように、
トンネルの坑口は1ヶ所でなければならない、という決まりは無いので、
江原公園交差点に接続するのは、
246とリコー通りからは、右折と左折レーンのみにして、
南北方向に直進する車は、
金岡小学校の前の辺りから、リコー通り中央部分の二車線分の幅に、
アンダーパスのトンネルを作って、地下に入れてしまえば、
江原公園交差点の南北方向は、青信号の間ずっと右左折が出来るようになるので、
現在、共栄町の交差点で起きているような、
右折矢印で数台しか出られずに、右折待ち車両が100m以上並ぶ事にはなりません。
とは言っても、江原公園の交差点の通過台数が増やせても、
西熊堂の交差点の赤信号に引っかかって、
江原公園交差点と、西熊堂交差点の間に入れる車の台数が、
246から右折できる車の上限になるのだが・・・。
西熊堂の交差点は、根方街道からバイパス東向きへ出る流れがほとんどで、
南側の道路の出入りは、北側の交通量の半分以下しか無いので、
矢印信号を使って、西熊堂の交差点の国1下り線を先に開通させれば、
多少は良くなるかも(^^)
246から江原公園交差点に出る坑口を、
南北方向は、右左折のみにした場合、
必要な道路の幅は、
現在の江原公園交差点の北側に設置されている車線の幅から、
路側帯とトンネルの壁の分が広くなった分だけで、
十分対応することができ、
現在、買い取りが終わった道路予定地の幅の中で、
道路両側の敷地から出入りするための、
側道を作ることができます。
北側の新幹線側の入り口は、
中央二車線分を一本のトンネルで、
江原公園交差点で右左折する車のレーンにして、
両側に、リコー通りへ直進する車用に一車線分のトンネルを二本作り、
中央車線のアンダーパスが完全に地上に出る、川の暗渠を通過した地点で、
一車線分の二本のトンネルを、二車線分一本のトンネルに結合して、
金岡小学校前付近で、リコー通りの中央車線に出す。
以上の方法で、道路を整備すれば、
☆ 道路構造令の、第四種第一級の道路条件を満たすこと、
☆ 新幹線の桁は現状のまま使用する
☆ 江原公園交差点に接続させる
☆ 新たな用地買収はしない
☆ 古墳の保護ライン内には手を付けない
☆ 市道1672号線を分断しない
☆ 渋滞緩和と史跡活用
という七つの条件を、全て満たすことが可能です。
道路と古墳を両立させる案、完成イメージへ続く
主要参考文献
沼津市の高尾山古墳と道路を両立させる検討案
グーグルマップ
沼津市のウエブサイト
国土交通省の道路構造令解説
高尾山古墳を取り壊さないで!
高尾山古墳を壊さないで!古墳の現状保存と道路の両立を!
「ぶっちゃけ古事記」 → 高尾山古墳カテゴリーリンク
「paipudesのブログ」 → 高尾山古墳カテゴリーリンク
「肖蟲軒雑記」 → 高尾山古墳関連リンク
「静岡大好き。しずふぁん!!」 → 日本の古代史が変わるかも?「高尾山古墳」
「沼津市議会議員山下ふみこ」 → 高尾山古墳カテゴリーリンク
2015(平成27)年8月16日作成