平成27年9/3(木)にプラサヴェルデで行われた、
「高尾山古墳保存と都市計画道路(沼津南一色線)整備の両立に関する協議会」の第1回は、
これまでの経緯や、今後の検討方針を確認する場として位置付けられて議論が行われましたが、
その中での事務局の説明に、
「西熊堂の交差点を閉鎖するので、東西の地域内交通路の確保が必要」
という発言がありました。
会場では録画・録音が禁止されていて、正確な聞き取りではなかったため、
後で公開される議事録で確認しようと思ったら、
議事録では、・事務局より資料5・6を説明、という形で省略されていました(TT)
このページでは、西熊堂交差点を閉鎖しないで済む方法につて、考えてみます。
道路完成時に、西熊堂交差点がどうなるのか、
よく見ると、コピーをもらった検討案の図面に、
西熊堂交差点部分まで書かれたものがありました。
拡大したのが左の図です。
中央分離帯が、現在横断歩道のある部分まで切れ間なく連続しているので、
南北の交通が出来なくなります。
現在の西熊堂交差点の、南側の出入り口には、歩道を切り取る形に線が引かれていますが、
北側の、根方街道が国一に出る部分の歩道には、横断する線が引かれていないので、
沼津市の計画通りに交差点が整備されると、
西熊堂交差点の部分から、
根方街道への出入りが、完全にできなくなります。
9/3(木)の協議会の場で、沼津市の事務局の説明では、
「地域内交通路として、市道1672号線の拡幅を計画し、用地買収も終わっている」
と言っていて、
確かに、高尾山古墳北側の200mほどの区間は、
道路が広げられるように、用地買収されているようですが、
買収された道路の幅は、
根方街道と大差ない道幅で、
さらに、南北方向の道路は、全く拡幅する気配がありません。
このまま、沼津市の計画の通りに道が作られると、
246から根方街道に入りたい車や、
逆に、根方街道から246に入る車は、
全て、この西熊堂の路地を通過するようになり、
西熊堂の住民は、狭い路地を走る通過交通で、
危険にさらされる事になるのですが、
西熊堂の自治会長は、何を考えて、早期整備を求める要望書を出しているのでしょうか?。
現在の西熊堂交差点は、根方街道をはしるバス路線が通っており、
バス専用の右折レーンも作られています。
西熊堂交差点を塞ぐということは、
バス路線が国一直進に変更され、
江原公園前の次が、中沢田のバス停になり、
明治資料館のバス停が廃止されることになります。
西熊堂や東沢田は、住宅も多いので、
自家用車を持たない地域住民にとっては、不便になる上に、
富士急バスの乗客サービスも低下してしまうので、
地域住民にとって、不便を強いられることに事に、なるのではないでしょうか?
上記の事は、少し考えれば簡単にわかることなので、
沼津市の計画担当者が、西熊堂で起こる交通問題に、気付いていないハズはありません。
ではなぜ、このような計画がされているのかというと、
現在、共栄町交差点で起きている渋滞の問題に理由があります。
246と国一間の交通需要はとても多いので、もともとの接続点であった上石田交差点は、
不完全クローバー型の立体交差で、左折が、信号付き二車線、
右折は、青信号の間、常時通行可能な一車線で、
歩行者や自転車は、トンネルで車道を横切らない状態になっていました。
それが、平成19年に、国道246号の延長が、学園通りの共栄町の交差点に接続され、
距離で言えば 1kmほど、こちらの方が短くなるので、
246と国一間の交通需要が、普通の片側一車線右折レーン付きの平面交差点に殺到したために、
現在でも、共栄町交差点は慢性的に渋滞しています。
計画されている江原公園交差点では、この、共栄町交差点の二の舞にならないように、
246からの右折レーンが2車線確保されていますが、
それだけでは、
「道路と古墳を両立させる試案」のページで考察したように、
江原公園の交差点の通過台数が増やせても、西熊堂の交差点の赤信号に引っかかって、
江原公園交差点と、西熊堂交差点の間に入れる車の台数が、
246から右折できる車の上限になってしまいます。
つまり
246から西へ向かう右折車の渋滞を減らすために、西熊堂交差点を廃止しようとしているのです。
沼津市の計画担当者は、
西熊堂交差点を廃止して、右折レーンを二車線取ることで、
246と国一間の交通需要をさばこうとしていますが、
もともと、その需要を担っていた上石田の交差点は、不完全クローバー型の立体交差で、
国一と伊豆へ向かう車の分岐点にある、南二日町交差点も、
右折レーンを二車線とった上で、直進車は立体交差で進めるように作られているので、
江原公園交差点も、246と国一の結節点にする以上、
立体交差でなければ、交通需要をさばけるはずがありません。
高尾山古墳を壊して、平面交差で246と国一をつなげても、
渋滞が多発して、すぐに、立体交差化の陳情や請願が出るくらいなら、
初めから、アンダーパスを作った方が、安く済むのではないでしょうか。
西熊堂交差点を維持したまま、江原公園交差点の渋滞を解消させる案を考えてみました。
もちろん、先のページにあげた、
246とリコー通りの直進をアンダーパスにする計画を前提にしているので、
沼津市の計画よりは、ハードルが低くなって簡単〜(^^)!
江原公園交差点の東行きが渋滞する原因に、
リコー通りへ曲がる、右折レーンが短かすぎることがあげられます。
右折レーンに5台位しか入れないので、
右折車が増えると、直進車のレーンを塞いでしまい、
実質2車線になってしまうので、渋滞するようになります。
右折レーンを伸ばすためには、
下り線にある、路線バス用の右折レーンが邪魔になるので、
どうするかというと、
現在、リコー通りを北上して、根方街道に入りたい車は、
江原公園バス停の先の、
お好み焼き道とん堀と、テラオカさんの間にある一方通行に入り、
西熊堂交差点を直進して、根方街道に入っています。
つまり、この道が、リコー通りから根方街道に入りたい車の、
右折レーンと同じ働きをしているので、
バスも、この一方通行を利用すれば、
西熊堂交差点の、バス専用右折レーンは不要になります。
入り口が狭くて、途中に直角カーブがあるので、
現状では、大型バスは通行できないのですが、
南側は、道とん堀の駐車場の車路になっていて、
テラオカさんの角の部分は、駐車スペースの端を
コンクリートで固めてあるので、
どちらも、多少道路用地として売ってもらっても、
業務に影響が出るとは考えられません。
根方街道を通るバスは、もともとが狭隘路線なので、
テラオカさんの角を、2mx2m位、隅切りしてもらえば、
路線バスなら十分通れるのではないでしょうか。
後は、入り口に「大型車左折禁止(路線バスを除く)」という標識を立てれば、
現在通っている車に、路線バスがプラスされるだけなので、
一方通行の交通量も、それほど増えるわけではなく、
取り立てて危険度が高くなるものではありません。
上記の方法で、西熊堂交差点のバス用右折レーンを廃止すれば、
江原公園交差点からリコー通りへ曲がる右折レーンを、
明治資料館の西側、すき家の前まで、200mほど取ることが可能になり、
200mの右折レーンといえば、
沼津インター南交差点の右折レーンとほぼ同じ長さなので、
右折待ちの車に、直進車が妨げられる事態は、ほぼ無くなります。
この場合、
江原公園交差点の右折レーンが、西熊堂交差点を飛び越える形になりますが、
似たような例をあげれば、
三島の国一、三好町東交差点の右折レーンも、
三好町西交差点を超えて伸びていたりするので、
道路のペイントなどで表示すれば、特に問題ないと考えられます。
共栄町の交差点の渋滞の原因に、
スピードを落とした左折車によって、左レーンがふさがって、
実質2車線になってしまう問題があります。
共栄町の交差点では、道幅が狭くて、左折専用レーンを取ることができないのですが、
江原公園交差点では、北側に暗渠があり、この部分は、
もと、根方街道の車線として使われていた部分なので、
車道として整備しても、強度的には問題ありません。
また、西熊堂交差点の西側も、暗渠にして、暗渠の上を全区間、歩道に変えれば、
江原公園交差点の西、100mほどの区間で左折レーンを1車線取ることが可能になり、
減速する左折車に、直進車が妨げられる事がなくなります。
簡単にできそうな範囲での、道路構造改善による、渋滞防止策はこの位しかなさそうなので、
後は、信号制御の方法を考えてみます。
信号のサイクル時間は、他の交差点とも関連しているので、
現在の江原公園交差点のサイクル時間で、新しいスプリット(時間配分)を考えようと、
交差点で時間を計ってみましたが、
1サイクルが150秒〜180秒と、だいぶ変動があるようでした。
しかし、観察していると、150秒では出られない車が増えるようであり、
180秒では、先の信号の渋滞にはまって、青信号でも止まっている状態になるので、
現在の江原公園交差点の、最適な1サイクル時間は、160秒と考えられます。
ここでは、
1サイクル160秒で、時間配分を考えてみました。
国一の東西方向は、現在90秒が割り当てられているようなので、
現状と同じように、90秒間、東西方向に進行させます。
ちなみに、各信号変化の合間には、
黄色3秒、全赤2秒などが入りますが、
細かく分割して記述するのが面倒なので、
その辺は、てきとうに考えて下さい。
江原公園交差点と、西熊堂交差点の間に、停止する車両を無くすために、
10秒間、江原公園交差点下り線を先に赤信号にします。
西熊堂交差点の上りは、直進と左折のみ赤信号にして、
右折レーンはそのまま進行させます。
これにより、江原公園交差点と、西熊堂交差点の間は、
リコー通りへ右折する車線以外は、車がいなくなります。
西熊堂交差点の上下線を全て赤信号にして、
根方街道へ出入りする車のために、
西熊堂交差点の南北方向を青にします。
交差点の間の車は、
右折レーン以外は空になっているので、
根方街道を出て東へ行く車が、
交差点の間の直進3レーンに並び、
根方街道からリコー通りへ右折する車両は、
国一の右折車両がはけた後に右折します。
西熊堂交差点の、南から根方街道や国一へ出る車は、
現在は西の広い通りが優先車線になっていますが、
逆に、一方通行から出る車線を優先にして流します。
車の流れ的には、現状で、20秒あれば十分足りそうですが、
国一上り線に、右折と左折専用レーンを付けると、
横断歩道が、8車線分を横断しなければならなくなるので、
横断歩道の青信号が30秒ないと、渡れない人が出てきそうです。
ということで、その3の状態は、
西熊堂交差点側は30秒、江原公園交差点の右折は20秒にします。
リコー通りと246からの南北方向の右左折を30秒間取ります。
その3の状態の、後半10秒間の段階から、
江原公園交差点の南北方向の右左折を青信号にすれば、
西熊堂交差点が青信号になった段階ですぐに、西進が可能になり、
現在の共栄町交差点の右折車の3倍位の台数を、
通過させることが可能になると思われます。
ただ、現状の共栄町交差点の右折レーン渋滞は、
1km位の遠回りなら渋滞よりマシ、と考える車が、
上石田の交差点へ迂回して、あの程度に収まっているので、
現状の3倍では、すぐにパンクしそうです。
246から国一へ右左折するレーンは2車線分しか取れそうにないので、
本来の左折レーンを、右折もできる左折レーンにして、
江原公園交差点には、進行レーンを破線で、
リコー通りから左折する1レーンと、
246から右折する2レーンにきっちり分けて、
交差点内での車線変更を防止すれば、
とりあえず現状の共栄町交差点の5倍程度は右折できることになりそうなので、
なんとか、ひどい渋滞にはならずに処理できると思われます。
なお、
国一上り線から、左折して246へ入る車は、
左折専用レーンを作れば、
この段階で左折させることが可能になります。
とりあえず、西熊堂交差点を残すためのプランを考えてみましたが、
246と国一の結節点の潜在的な交通需要を考えると、
本来は、上石田交差点クラスのインターでなければ、
希望する交通量全体を、到底、さばききれるわけがありません。
ので、
最終的には、
東駿河湾環状道路の、西区間の、早期整備を働きかける必要があります。
ただ、東駿河湾環状道路の西区間が開通したその日から、
246の長泉ICの交差点周辺が、渋滞で大変な状態になるのは目に見えているのですが、
それはまた、別の話・・・。
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2015(平成27)年9月23日作成